NO!パワハラシリーズⅠ : 社会保険労務士 安達発

お久ぶりです、社会保険労務士の安達敬子です。 

本日より、パワーハラスメントに焦点をあて、方式でご紹介していきます。

身近な事例を通じそれぞれの立場で考えていただき、明日からの仕事や生活に役立てていただけたらと思います。


【Q1】 NO!パワハラシリーズⅠ

昨年はスポーツ界でパワハラ事件が多くニュースに取り上げらました。

そんなニュースが多いせいか、先日、部下に注意すると「それってパワハラじゃないですか!」と言われ、何も言えなくなりました。

そもそもどういうものがパワハラになりますか。

【A1】

 パワハラという言葉が浸透してきたおかげで、先輩からの何かしらの言動に対し、「それってパワハラじゃないですか」と部下が「パワハラ」という言葉を使って自己防衛しているケースがあります。

そもそもパワハラの定義があいまいなことが、安易に使ってしまう1つの原因になっているかもしれません。

注意や指導がすべてパワハラになるわけではありません。パワハラには次の3つの要素を全て含んでいるものを職場のパワハラの概念として整理しています。

①優越的な関係に基づいて(優位性を背景に)行われること

②業務の適正な範囲を超えて行われること

③身体的若しくは精神的な苦痛を与えること、または就業環境を害すること

となっています。とはいっても、具体的にひも解いてみないと、漠然としていますね。

 

まず、①の優越的な関係というところをみていきましょう。

優位になっている要素には、

    「部長・課長・係長といった職制上の地位の上下」

    「勤続年数の長さ」

    「専門性の高さ」

    「人数の力」

    「正社員と派遣等の雇用関係」

などがあります。職場によっては「学歴や学校名」もあるかもしれません。

たとえば、女性と男性で必ずしも男性が優位とは限らず、女性だけの職場に一人だけ男性が入社してきて、その男性が嫌がらせを受ける場合は、集団対個人の関係性の中でのパワハラになりえますし、新入社員が上司に対して、あいさつをしない行為は、勤務態度が悪いという評価はつきますが、パワハラとは通常呼ばないのです。

ただし後者の場合で、新入社員がパソコンに詳しく、上司がパソコンに弱い場合に、上司への嫌がらせ目的に無視をしているのであればパワハラになりえるかもしれません。
パワハラは関係性の問題です。

人が複数集まれば、規模の大小に関わらず、どの職場でも起こりえる問題です。
パワハラは、個人の問題でもあり、マネジメントの問題でもあり、組織の問題でもあります。そして、そこにはコミュニケーションの問題が内在しているのです。

部下が「それってパワハラじゃないですか」という言葉の裏には、「私だってがんばっているのに!」とか「言われたようにやっただけじゃない!」とか「聞いてなかった」とか「そんなみんなの前で大きい声で言わなくても・・・」とか様々な感情があるとも考えられます。

部下の方も、上司への伝え方を学ぶことで、きちんと自分の感情も相手に理解してもらえることになり、対話が出来ていくのではないでしょうか。
どんな人間もプライドを持っていますし、価値観がありますので、お互いが日ごろから良い関係性を築いていくための努力も必要なのかもしれません。
そこを個人だけに任せるのではなく、組織としてコミニュケーションの場を増やす工夫や研修・セミナーを取り入れた会社主導の取り組みが有効になってくるのではないでしょうか。


次回は、②の業務の適正な範囲を超えての部分をひもといてみましょう。

2019-03-29T13:37:12+00:002月 12th, 2019|Blog|